床屋の掘った穴

何にでも手出しするオタクの独り言。

稲妻のような作品たち

 昨日本棚を整理して、色々な本を掘り返しまして。ああこの本には影響を受けたな、というものもいくつか出てきました。今日はそれをざっと紹介させてもらおうと思います。母の集めたものが多いですが。

 

 まずはこちら。

pink

pink

 

  「愛と資本主義」、これが帯に付けられたキャッチコピーでした。この本を読んだのは小学生でしたが、堂々と読んじゃったらまずいかな……と幼いなりに思っていました。そんなもんですから母の本だったので本棚からそっと抜いてこっそり読みまして。何でって、主人公のユミちゃんは昼はOL夜はホテトル嬢という二重生活を送る女性だったんですもの。愛を切り売りしてお金を稼ぎ、ペットのワニを養う生活。ある日継母の男妾と出会ってしまい、少しづつ何かが変わっていく。そんなお話です。

 今書いている同人作品の根底にある嗜好は、この作品に大きな影響を受けたと思います。愛は売れるし買える、体と心は切り離せる、そんな感じのことを受け取りました。もちろんそれだけではありませんが。

 あと、ペットのワニが可愛いんです。ワニはワニで名前なんてないのがまた可愛いんですよね。

 岡崎さんの独特の線で描かれた絵がまた味があるんですよね。岡崎さん本人もオシャレな方で、それが漫画に見事に出ています。

 とても素敵な作品ですので是非一読してみてください。

 

 次はこれです。

仮面少年 (サンコミックス)

仮面少年 (サンコミックス)

 

  高橋葉介先生の絵もこれまた独特でして。この作品は漫画版ショートショートといったところでしょうか。SFチックでもあり、怪奇チックでもあり、世にも奇妙シリーズっぽさもありますね。

 土を食べて生活する教授、重力反対運動、怪物の絵を描く男……そういった短編がいくつも入っています。表題作「仮面少年」は、仮面を付けて生活させられる夫とそれを愛する妻、その息子が織り成す愛の物語となっています。これは、世にも奇妙的かな。

 この軽く進んでいくのにぞっとする話の流れ、この後に何が起こるか想像できるのにそこで切られている本編、そういったものにはかなり影響を受けまして。暗い話の時には書ききりたくない! と思っていたり……想像を掻き立てられているかはわかりませんが。

 絵は少し耽美チック。今風に言えばサブカルかな。ヴィレバンで端の方に平積みされてる感じですね。あの手の作品が好きなら是非。

 

  お次は小説。

盗賊会社 (新潮文庫)

盗賊会社 (新潮文庫)

 

  有名ですね、星新一です。教科書にも載っていたりしますものね。

 ささっと読めて、でもその実とても深く唸らされるものばかりです。魅力は今一度説明するものでもないでしょう。

 これも想像力をフルに使わされますね。それが良さではないかと思います。短くても人を唸らせるものを書きたいものです。

 

 あと、入間一間や太宰治坂口安吾にも影響を受けていますが、それらは以前紹介しましたので以下の記事からどうぞ。

 

takosuke3.hatenablog.jp

 

takosuke3.hatenablog.jp

 

takosuke3.hatenablog.jp

 

 どれを読んだ時も、雷に打たれたようでした。考えをいい意味で歪めてくれた作品は大切にしていきたいです。