床屋の掘った穴

何にでも手出しするオタクの独り言。

異世界譚方気分

 わあ久々の更新。こんな風にのんびりゆるっとするつもりだったのでいいのですが。

 

 今日は万華鏡ミュージアムに行きまして。部活の行事ごとでね、後輩を連れて。久々に万華鏡をまじまじと覗いてきました。いやあ、種類が豊富なんですね。万華鏡作品の世界大会もあるんだとか。奥が深いぞ万華鏡。筒状のものだけでなく、台などにおいて覗き込んで楽しむものや、なんと壷そのものが万華鏡になっているものまで。

 まあ、なんと言っても驚いたのは、部屋そのものが万華鏡になった「投影式万華鏡」でしょうか。カメラを使って壁に万華鏡のきらきらした宝石のような、オブジェクトの部分を映し出すものでした。部屋一面がきらきらしていました。うっかり、壁をぼんやりと触ってしまって、先輩に笑われたくらいです。

 しかし、確かにきらきらしていたんですけど、なんだか薄気味が悪かったです。なんでしょうね、眺めていると背中を這いずり回るものの存在を感じるような、冷たい手にずっとむき出しの腕を撫でられているような。あと、映し出されめまぐるしく変わっていくオブジェクトを見ていると「なんかものすごい勢いとスピードで繰り広げられる細胞分裂みたいだなあ」という、なんともまあ情緒もへったくれもあったもんじゃない感想を抱いてしまいまして。

 まあそれはさておいて。

 万華鏡を覗いてみる景色や、投影されたオブジェクトを見ていると異世界にさらわれてしまうのではないかと思ってしまいます。これは祭囃子を聞いたときと同じで、見惚れたり聞き惚れたりしてしまえばどこかここではない世界に迷い込んでしまうんでないかしら、なんてあるはずのない心配や不安が絡み付いてくるのです。民俗学なんかをやっている友人いわく祭囃子は異形のものを集める役割なんかもあるそうで、当たらずとも遠からずなんだとか。万華鏡は、うーん、私の中の「異世界への入り口」のイメージとぴったり重なっているんだと思います。多分ね。

 さて、そのイメージを強化してくれちゃったのが京騒戯画だったと今さっき気が付きました。結構昔からああいうきらきらはそういう理由で苦手で、プラネタリウムなんかも同じような雰囲気を感じていたんですけど。万華鏡とぴったりきっちり当てはめてくれちゃったのはあの作品ですね。いやあ……イメージって簡単に作られちゃうなあ……。